S3D関連5社1機関が3DBiz研究会を発足

コンテンツ制作視点でS3D制作の活性化を目指す

2011.03.11

レッドローバージャパンを中心に、3D制作機材メーカーやベンダー、プロダクションやレンタル会社、教育機関が参画して3DBiz研究会が発足した。会則や会費など運営面も確定し、今後は参加企業、参加クリエイターを募っていく。3月4日には東京・秋葉原でステレオスコピック3D制作に関連した有償セミナーを実施。ステレオスコピック3D(S3D)制作をビジネスとして成立させるための取り組みが本格的に始動した。

昨年2010年は、フルデジタル制作が可能になって初めて、S3D制作に注目が集まった年となった。しかし、まだまだ製作予算をかけられるコンテンツが中心となっている。これでは制作技術を持った人材もコンテンツも限られてしまい、映像クリエイターがS3Dを制作表現の1つとして選択できるようになるまで普及させるには、足枷になりかねない。リニア編集時代からノンリニア編集時代に移る時もそうだったが、誰もが手軽に制作技術を扱えるようにワークフローが構築されなければ、利用する映像クリエイターも増えていかないし、より使いやすい制作環境も普及していかない。

こんな現状を打開するべく発足したのが、3DBiz研究会だ。S3D制作ワークフローを確立させてビジネスを活性化できるようにすることを目指し、レッドローバージャパンが、3D制作機材メーカーやベンダー、プロダクションやレンタル会社、教育機関に2010年夏頃から呼びかけて実現したものだ。研究会の趣旨としては、(1)3D映像制作技術の研究と開発・評価、ノウハウの構築(2)制作ワークフローの確立と市場へのフィードバック(3)3D映像制作ビジネスの啓蒙と新ビジネスモデルの開発(4)3D映像ビジネスの開拓、映像制作受託(5)3D映像制作スタッフの養成・教育・セミナー活動(6)3D映像制作市場の活性化(国内外)を活動目標に掲げている。ステレオスコピック3D映像コンテンツの制作的な立場で、ビジネス的に捉えた視点で活動していくということになる。

事務局は、レッドローバージャパン内(東京都中央区日本橋堀留町1-2-10堀留町レジデンス1001)に置く。発足時の幹事企業には、カメラメーカーからキヤノンマーケティングジャパン、3Dハードウェア/ソフトウェアベンダーからアスク、映像プロダクションからビジュアルコミュニケーションズ、映像機器レンタル会社からサークル、教育機関から関東学院大学が名を連ねる。これに、機材メーカーとしてレッドローバージャパンが参画し、研究会の中核を構成している。

3DBiz研究会を立ち上げることになった背景には、機材メーカーであるレッドローバージャパンは、レンタル業や教育ベンダーとして取り組むわけにもいかないという事情もあった。そこで、よりビジネスに即した形でS3D制作が活性化できる仕組みや、さらにはワークフローを研究/構築できるような仕組みづくりが必要となったことが、きっかけだったようだ。

(秋山 謙一)

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(Video Journal 2月20日号向け提供記事から再構成)


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