【2011 NAB SHOW】池上通信機

4/3型4K CMOSセンサー搭載カメラを参考展示

同社ショルダー型カムコーダーとしては初の単板式

Ikegami.JPG池上通信機が参考出展した4/3型4K CMOSイメージセンサー搭載のHDS-F90。ベイヤー配列センサーを使用し、赤・青成分を100%生かしてフルHD撮影する。 池上通信機は、4/3(フォーサーズ)型4Kイメージセンサーを使用したショルダー型カムコーダーを参考出展した。本体はショルダー型カムコーダーのGFCAMシリーズを踏襲し、GFPAKを使用して記録する方式だ。カムコーダーを紹介するパネルには、「4/3inch GFCAM」「HD/SD Camera/Recorder」と書かれているだけで、カメラの型番は全く書かれていなかったが、本体左側面の操作パネル部分の横に「Ikegami HDS-F90」とプレートが貼ってあった。本稿ではHDS-F90として紹介していく。
 HDS-F90は、見た目は通常のショルダー型カムコーダーだが、4K 解像度のベイヤー配列4/3 型CMOSイメージセンサーを搭載している。池上通信機のショルダー型カムコーダーとしては初の単板式で、初のCMOSセンサーを採用したことになる。ベイヤー配列のCMOSセンサーを使用しているが、解像度を4Kにすることで赤成分・青成分を活かしたままHD収録ができるようになっているようだ。4Kセンサーで4K解像度の映像を収録するのではなく、色成分の欠落をなくしたHD収録を目指しているということがうかがえる。
 カメラマウントにはPLマウントを採用することで、シネマレンズを使った撮影を可能にした。HDS-F90の展示機では、実際にPLマウントのシネマレンズを装着し、ビューファインダーについてもシネマスコープ型に変更した形で展示を行っていた。
 収録時間については、「50Mbpsで2時間」と書かれていたが、これは64GBのGFPAKを使用してMPEG-2 HD Long GOPを使ったときに相当。収録において、新たなコーデックを採用するというものではなさそうだ。しかし、色成分の欠落のないHD映像収録が可能で、デジタルシネマ運用も可能なカムコーダーとして、フルHD RGB4:4:4の取り扱いも検討してもらいたい。
 もっとも、今回展示したHDS-F90は開発コンセプトモデルに近いものなのだと言う。ブース来場者から要望を聞くことが目的の出展であるとのこと。記録方式や撮影機能など具体的なことについては、製品化スケジュールも含めて一切が未定だそうで、今後しっかりと作り込んでから再提案されそうだ。

(Ken Akiyama)

(Video Journal 5月号向け提供記事から再構成)
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