【2011 NAB SHOW】パナソニック

次世代マスターAVC ULTRAのコンセプトを発表

4K解像度に対応可能なマスター用コーデック

AVCULTRA2.JPGAVCULTRA.JPG パナソニックは、4K解像度に対応可能な新たなマスター用コーデックとしてAVC ULTRAを策定中であることを明らかにした。AVC ULTRAは、これまでもAVC Intraを超えるコーデックとして位置づけていたが、H.264をベースにしながら、ハイエンドポストとDIマスタリング用に4K解像度・RGB4:4:4で配信できるものとするとした。ハイエンド利用だけでなく、2K / 1080pのRGB4:4:4や、1080/50p, 60p/720/50p, 60p、1080/50i, 60i、1080/24p, 25p、720/50p, 60pといった従来の映像フォーマットの取り扱いを可能にすることで、より幅広くコーデックが利用できるようにする。
 今回の2011 NAB SHOWでは、AVC ULTRAのコンセプトと方向性を具体化した状態であり、記録メディアや投入時期などは明らかにされなかった。AVC ULTRAに対応した実際の製品が出て来るまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。ソニーがSRMASTERシリーズとして製品/ワークフローまでを具体化させた動きを見せるなか、AVC ULTRA が提案にとどまったことは残念でならない。

第2世代の一体型2眼式3Dカメラレコーダーを発表

左右1/3型フルHD 3MOS独立配置、17倍ズームレンズを搭載

AG-3DP1.JPGパナソニックは第2世代の3DカメラレコーダーとしてAG-3DP1を出展。P2カードにAVC-Intraで記録する方式を採用した。 パナソニックは2010年に、AVCCAMシリーズにおいて一体型2眼式3D カメラレコーダーAG-3DA1を発売した。左右の映像をSDHCカードに独立記録する形を採用し、HD-SDIでサイマル出力するか、HDMI1.4aを使用して3D出力するかを選んでディスプレイに表示する方法だった。
 2011 NAB SHOWにおいてパナソニックは、第2世代3D カメラレコーダーとして新開発したショルダー型のAG-3DP1を発表。単焦点固定レンズの先に3Dユニットが取り付けられているようにも見えるが、実際は17倍ズームレンズを搭載した業務用カメラレコーダーだ。1/3型フルHD 3MOSイメージセンサーを左右独立に配置、20bit DSPにより処理する。GenLock In、TC In/Outにも対応する。映像の記録については、10bit 4:2:2のAVC-Intra コーデックを使用して、左右独立してP2 カードに記録する方式を採用した。64GB P2カードを使用した場合、1080/24pNで80分の収録が可能だ。
 AG-3DP1では、バリアブルフレームレートを使ったファスト/スローモーション撮影にも対応している。720pモードで、12フレームから60フレームまで、20段階に可変速できる。

3台のハンディ型カメラレコーダーを発表

P2HDとAVCCAMで同一筐体を使用した兄弟機

 パナソニックは、P2HDシリーズ カメラレコーダー新製品AG-HPX250、AVCCAMシリーズカメラレコーダー新製品AG-AC160/AG-AC130 を出展した。いずれも今秋に発売する予定。
AG-HPX250.JPGパナソニックP2HDシリーズ新製品のAG-HPX250。ハンディカメラレコーダーとしては初めてAVC-Intra に対応した。 AG-HPX250は、ハンディ型カメラレコーダーとしては初めてAVC-Intraコーデックをサポートし、フルHD 解像度10bit 4:2:2での収録に対応した。1/3 型 3MOSイメージセンサーと、35mm換算で28mm~588mmの21倍ズームレンズを搭載した。AVC-Intra 100/50での収録のほか、これまで同様にDVCPRO HD/DVCPRO 50/DVCPRO/DVでの収録も可能。
 P2HDシリーズはこれまで、コンパクトな筐体を重視していたこともあって、レンズ周りのリングはファンクションリングとしていたが、AG-HPX250 は操作性を重視する方向に変更。カム式ズーム、フォーカス、アイリスを独立した3 つのリングとして搭載することで、よりマニュアル交換レンズに近い操作感を生み出している。
 複数台のカメラ同期を行うGENLOCK入力、TC入出力を持ち、HD-SDI出力を組み合わせて、マルチカメラ中継/収録にも対応できる。映像出力はHDMI出力も持つ。制作向けの機能としては、シネライクなど階調表現を選択できるガンマ調整機能や、バリアブルフレームレート機能を搭載している。
AG-AC160.JPG業務用として提案しているAVCCAMシリーズはAG-AC160とAG-AC130の2機種を新ラインアップ。写真のAG-AC160は、AG-AC130にHD-SDI出力とバリアブルフレームレート機能を搭載したハイエンド指向の製品。 パナソニックは、業務用カメラレコーダーAVCCAMシリーズもラインアップを強化。新製品AG-AC160/AG-AC130は、P2HD シリーズ新製品のAG-HPX250と同様に、1/3型3MOSセンサーと35mm換算で28mm~588mmの21倍ズームレンズを搭載する。カム式ズーム、フォーカス、アイリスの3リング構成も同様だ。業務用として各社ノンリニア編集製品で扱いやすいAVCHDコーデックを使用し、SDXCカードにも対応している。SDカードスロットを2スロット持ち、2枚のカードをまたいで連続して記録するリレー記録のほか、2枚同時に記録するバックアップ記録にも対応している。
 業務用として、AVCHD コーデックの最高画質となる最高24Mbps(平均21Mbps)でフルHD収録が可能。このモードにおいては、音声も非圧縮16bit LPCM コーデックを用いたデジタルオーディオ収録をすることもできる。
 AG-AC160とAG-AC130の違いは、AGAC160には、AVCCAMシリーズでもハイエンド制作に対応できるようにする機能を搭載している。SD-SDI出力を搭載しているほか、Class 6以上のSD/SDHC/SDXC カードを使用して、フルHD解像度・プログレッシプでのバリアブルフレームレート撮影に対応している。

(Ken Akiyama)

(Video Journal 5月号向け提供記事から再構成)
VIDEOJOURnAL.png

ページの先頭へ